web漫画を制作するために必要な原稿サイズについて考えてみた。
※全体的に文章を見直して書き直しました(2019/10/25
クリップスタジオなどを使って漫画を作る時、悩ましいのが原稿のサイズ
「ピクセル」など聞きなれない単語が多いので、簡単にまとめてみました
まず結論から話すと
・印刷を想定した場合(モノクロ/グレー)→「B4」サイズ×解像度「600dpi」
・印刷を想定した場合(カラー)→「B4」サイズ×解像度「350dpi」
・webのみで公開する場合→「724×1024」ピクセル
がいいと思います
順番に説明します
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印刷を想定した原稿サイズ
一般的にアナログで原稿を描く漫画家さんは「B4」サイズの原稿用紙を使用しています
デジタル作画でも「B4」サイズの原稿を作ればいいわけですが、ここでちょっとややこしい問題が生じます
というのは、「B4」というサイズは用紙の規格サイズであり、デジタル作画では「ピクセル」という規格が用いられるからです
ではピクセルとはなにか?
パソコンのモニターやスマートフォンの画面は、非常に小さな点の集まりになっていて、この1つの点のことをピクセルといいます
フルHD液晶の「1920×1080」ピクセルなんていう数字はよく見かけるかもしれません
近年のトレンドである「4K液晶」というのは3820×2160ピクセルで構成され、横方向に4000ピクセルあることから「4K」と表現しているそうです
話を戻します
つまり「B4」サイズの原稿に必要な「ピクセル数」が重要になってくるわけです
ここでもう1つ新しい用語がでてきます「dpi(ドットパーインチ)」という言葉です
「dpi」というのは「1インチに使われるドット数(ピクセル数)」のことです
dpiの数字が大きければ大きいほど、精密な表現が可能になります
クリップスタジオで漫画を作ろうとすると、このような画面が出てきます
赤枠で囲ったところに注目してください
仕上がりサイズが「B4」
「B4」サイズの中の1インチあたりに600個のドットを用いる「600dpi」ということです
ちなみにB4サイズの原稿(600dpi)をピクセルで表現すると「8598×6071」という数字になります
「350dpiあれば十分」なんて話も聞きますが、デジタル投稿の漫画賞や同人誌の印刷会社さんなどでは「600dpi」を推奨しているところが多いので、「600dpi」で作っておけば問題ないと思います
Q)デジタル原稿で投稿する場合、解像度はどれぐらい必要ですか?
また、データ形式の指定はありますか?
A)モノクロ2階調で600dpi、もしくは1200dpiでデータを作成してください。データ形式は、PSDもしくはTIFFでお願いします。
デジタルデータの場合
・データは下記の仕様で作成してください。
600dpi・白黒2階調(推奨)保存形式はPSD・TIFF・EPS
●[推奨解像度]
・カラーは350dpi
・グレースケールは350dpi 〜 600dpi(アミ点を使用している場合は600dpi)
・2値は600 もしくは 1200dpi
一方でカラー漫画の場合、こちらは350dpiでの制作が推奨されています
カラーで600dpiの原稿を作る場合、パソコンのスペックも必要になってしまうので、そういうところも考慮しているのかもしれません
webのみで公開する場合
印刷を考えない場合、dpiは気にしないで大丈夫です
個人的には「724×1024」がちょうどいいかなと思います
【参考にさせていただきました】
とりあえず縦に1000ピクセルあれば、パソコンのモニターでもスマートフォンでも見やすいのかなと
ただ、最近はスマホのスペックが非常に高くなっているので、今後4K液晶などが主流になってくれば、それに合わせて大きな画像サイズが必要になるかもしれません
印刷のときの注意
余談ですが、印刷の場合は「断ち切り」や「ノド」などにも注意が必要になるので、気をつけたほうがいいです
印刷の仕様上「製本」の後に「断ち切り」という工程が入り、原稿の外側が切れてしまいます
これにより「大事なシーンが切れてしまった」ということが起こらないように「仕上がり枠」があるわけです
webのみで公開する漫画だと「断ち切り」の工程が入らないので、原稿用紙をそのまま「仕上がり枠」と捉えても問題ないです
まとめ
モノクロ原稿→B4サイズ600dpi
カラー原稿→B4サイズ350dpi
で作れば問題ないはず
webでの公開も想定しているなら、「仕上がり枠」でトリミングして「724×1024」程度に縮小して公開するとちょうどいいんじゃないでしょうか